「入れ歯」は想像以上に繊細。ケアのポイントを解説します!

入れ歯をご自身で装着したことがない方が、入れ歯の清掃をする機会が生じることがあります。
ご家族の中で入れ歯を装着された方が、突然入院したり介護が必要になる場合などです。

様々な理由で自分自身のお口の中を管理できなくなる場合があり、身近な方の入れ歯の管理をする必要性に迫られることがあります。
そんな時、どうやってお掃除すればいいのか?何を使えばいいのか?わからない。等々で困ることがないようにという想いでこのブログを書いています。

「食べる」「笑う」を担う高機能ツール。それが、入れ歯

 入れ歯(義歯)は失った歯の代わりに、口腔内の機能を補ってくれる物です。食べることはもちろん、笑ったり、会話したりする上でなくてはならないものです。
そんな入れ歯もお口の中をきれいに保つことと同じように、清潔にすることは重要です。

例えば、お口の中の入れ歯も不衛生、残っている歯も不衛生であると、誤嚥性肺炎のリスクも高まってしまいます。誤嚥性肺炎とは食べ物を飲み込むときに、口から食道へ入ることが通常ですが、誤って食物や口腔内細菌がともに気管支に入り肺炎を起こしてしまうことです。特に高齢者は、飲み込む機能が低下している場合が多く注意が必要です。

常々入れ歯をきれいに保つ、つまり口腔内を清潔に保つことによりお口の中の細菌数を減らしておくことが重要なのです。

入れ歯と一言でいっても様々な種類があります。
部分入れ歯や総入歯、軟性材料を使用した義歯など様々なものがあります。材質に応じた清掃方法も異なりますので、
困った時にはかかりつけ医に相談することをおすすめします。

入れ歯洗浄器具って?

 入れ歯の清掃には、義歯ブラシによる機械的清掃と義歯洗浄剤による化学的清掃の併用をお勧めします。

超音波洗浄器を用いた洗浄法もありますが、各メーカーの性能を比較検討したことがないため今回は紹介は控えます。

超音波洗浄は細かな箇所の汚れが取れますが、個人的には定期的に歯科医院へ行って取れない汚れをきれいにしてもらったり、義歯に不具合がないかを検査してもらうことが大切と考えています。

義歯ブラシ

歯を磨くには歯ブラシが必要なように、義歯を洗浄する際に必要な物が義歯ブラシです。

義歯ブラシは様々な種類が販売されています。握る力が弱い方は、グリップ感を確認したりすることも必要です。また、手に麻痺がある場合など機能障害を伴う際は片手で洗浄できるクリーナーもあります。

大切なことは、お口の中に残っている歯を磨く歯ブラシと義歯を洗浄する歯ブラシは別にするということです。

義歯洗浄剤

義歯洗浄の種類は次亜塩素酸系・酵素系・過酸水素系に分かれます。

次亜塩素酸系:殺菌効果に優れています。また漂白作用によってヤニを落としてくれる効果もあるためたばこを吸う方には効果的です。

酵素系:タンパク分解酵素を利用して義歯を清潔に保ちます。殺菌作用は次亜塩素酸系・過酸化水素系よりも劣ります。

過酸化水素系:発砲作用によって汚れを落としてくれます。管理人自身は義歯を装着していませんが、マウスピース(ナイトガード)を装着しているためこの商品を用いて洗浄しています。

一般的にドラッグストアで売られているものは過酸化水素化合物系が多いのではないでしょうか?

義歯洗浄保管容器

義歯を洗浄し保管する容器が必要です。ご自宅にあるタッパー等でも構いませんが、義歯専用として管理できることが重要です。

ガラスコップのような食器を用いると、要介護高齢者の中には義歯洗浄剤の溶解液を清涼飲料水と誤認して飲んでしまうこともあります。

義歯専用保管ケースを用意しましょう。

義歯ケースと義歯ブラシ

義歯の洗い方

 義歯を取り外したら流水下で義歯ブラシを用いて洗います。

このときに洗面器などにみずをはって中にタオル等を敷きその上で洗うようにすると、万が一、義歯が落下しても、破損するリスクを減らすことができます。義歯を洗う際には、基本的には何もつけず水だけで洗浄して問題ありません。歯磨剤を用いたり、力をいれてでゴシゴシ磨くと、義歯に微細な傷がつき細菌の温床になるので注意して下さい。

特に部分義歯の場合は金具の周りに汚れが付着したままであると、残存歯も歯周病や虫歯になるリスクが高まるので義歯ブラシでしっかり洗いましょう。

食後は義歯を外して義歯ブラシで洗浄した方が清潔に保つことができます。しかし外出先で外すことができない場合も多いです。そのようなときは自宅に帰宅してから洗浄するようにして下さい。

そして就寝前には義歯を義歯ブラシで洗浄したあとに洗浄剤につけましょう。洗浄剤を使用する際にはメーカーの指示に従った方法で使用して下さい。

翌朝、洗浄が終了した義歯は流水で余分な洗浄成分を洗い流してお口の中に装着しましょう。

義歯の洗浄方法


PHB義歯ブラシについて

水で濡れてしまうと、持ち手がしっかりと握れない場合があります。特に握力がないと、プラスティック製のものは特に握りにくさを感じるのではないでしょうか?汚れを除去することももちろん大切ですが、毎日使うものなので握りやすいという点で優れています。ブラシ部分が大きいため総義歯の方は使いやすいです。軟性材料を用いた義歯には不向きです。

歯科医院専売デントマスターダブルパワープラスについて                           

4つの特長によって義歯をキレイにしてくれます。
消臭力:緑茶抽出物によって消臭と口臭予防に効果を発揮
除菌力:抗菌酵素ツニカーゼFNを配合しているためカンジダ菌をしっかり除菌
洗浄力:パパイン酵素が短時間で汚れを分解し強力発泡によってしっかり洗浄
pH7.0中性:レジンの劣化や金属床の黒ずみを防止

バイトプレートにも使用できるため、管理人が使用している洗浄剤です。

 いかがでしたか?入れ歯の取り扱いで困ったことがあればかかりつけの歯科医院に相談して下さいね。