関係あります!お口のケアと抗がん剤治療

お口の中のがんではないのに、なぜがん治療と口腔ケアが関係あるの?と疑問に思う方もいるかもしれません。

がん治療はがん細胞を攻撃するとともに正常な細胞にも影響を及ぼしてしまうことがあります。特に口の中の粘膜のように代謝が早い細胞は影響を受けやすくなるのです。

口は身体の入り口です。細菌やウイルスの侵入系路でもあるのです。がん治療に限らず、入院や様々な治療によって栄養状態や免疫機能が低下し、口の中の細菌やウイルスが肺に侵入すると肺炎を起こし、継続したい治療も困難になります。

大切なのは、口の中を常に清潔に保つこと。歯と舌の汚れをとり、さらに口の中を保湿することが重要です。義歯を使用している場合は念入りな清掃が重要なのは言うまでもありません。

お口の中で起きるトラブル

口内炎

粘膜の表面が剥がれる粘膜炎

唾液が少なくなり口の中が乾燥し歯肉や舌がヒリヒリする

虫歯や歯周病など

抗がん剤治療と口内炎

口内炎は抗がん剤の口腔合併症として代表的なものですが、発症頻度や重症度は差があります。すべての抗がん剤が口内炎を引き起こすわけではないですが特徴を挙げておきます。

抗がん剤治療開始後3~7日頃

抗がん剤の分解物によって粘膜にストレスを与えることが原因で口内炎ができます。

10日~2週間前後

口腔内の局所の感染が原因です。抗がん剤の分解物による口内炎が治りきらない状態の時に、お口の中の清掃状態が悪く細菌が多い状態で、白血球が低下すると感染性の口内炎を合併します。

口内炎ができると、痛みだけではなく食事や会話の妨げになります。また口腔内の細菌が感染を引き起こし抗がん剤治療そのものの妨げになってしまします。

治療前はもちろん、治療中もセルフケアをしっかり行いお口の中を綺麗な状態を保つことが大切です。

口内炎ができてしまった時の口腔ケアは?

  • 発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)が入っていない歯磨剤を使う
  • やわらかくヘッドが小さい軟毛歯ブラシを選ぶ(粘膜や歯肉に不用意に当たらないようにヘッドが小さいものがよいでしょう)
  • タフトブラシにかえる
  • やわらかいブラシをぬるま湯につけるなどしてさらにやわらかくして使用する
  • 洗口剤はノンアルコール、低刺激のものを使用する。
  • 保湿(保湿効果の高いうがい薬、軟膏、ジェルなど)
  • 義歯は食事以外は外しておく
軟毛歯ブラシ一例
左:PHB RXウルトラスワーブエリート
中央:テペスペシャルケアコンパクト
右:クラプロックスCSサージカル

口内炎が痛くてブラシができな場合は?

  • 保湿剤が入った洗口液などををスポンジブラシにつけて口全体を拭掃する。
  • よくうがいをする。アルコール成分が入っていないものでうがいをします。うがい薬がしみてしまうときはぬるめのお茶やお水でもよいです。

うがいのやり方(口内洗浄):お口に液体を含み左右交互と真ん中で膨らませぶくぶくうがいをして吐き出します。

まとめ

抗がん剤治療や手術の前は歯科医院へ行き、治療が必要な箇所は治療を行い、徹底した口腔ケアを行ってもらうことが重要です。

お口の中には細菌が多く、その細菌によって誤嚥性肺炎を発症したり口内炎を多発することで本来行うべき予定の治療に支障を生じることがあります。手術前や抗がん剤治療前に口腔ケアを行うことによって入院日数が短縮され、社会復帰を促進する効果も期待できます。

また歯科医院で正しいブラッシング指導を受けたことがない方は、自分自身でお口の中の管理ができるようにスキルを習得することも必要です。