歯科助手を始めたばかりの従姉妹から「上の前歯の所にインプラント治療しようと思うんだけど」と相談を受けました。
機能や審美的にも難易度の高さは当然理解できるのですが、勉強してもよくわからないからとのこと。
実は、こうした相談は過去にも受けたことがあります。自分だけでなく家族や友人のインプラント治療をどう説明すれば良いか患者さん自身迷うことが少なくないようですね。
管理人が働く歯科医院では、インプラント治療や大掛かりで難易度の高い治療はすべて紹介患者さんです。歯科医師や、当院での治療経験者から、または同業の歯科医師自身やスタッフと紹介してくれる方の幅はひろくても、紹介のみなのでインプラントに懐疑的な意見や悩みをお持ちの方はほぼ見かけないのです。
そこで管理人なりに、管理人が働く歯科医院での経験と自分自身の体験談(靭帯再建手術)を総合した視点からお話します。
歯科医師の技術力(長期視点での設計と施術)と経験値
よく「年間本数〇〇本数」というインプラント治療の広告を見かけます。私も脚の手術を受ける際には担当医の症例数は気になりました。しかし、それはあくまでも”症例数”であって、特に歯科の場合”良い状態の本数”とは必ずしも言えません。
埋入本数と機能的インプラントの生存本数は違うのです。
当院の院長主宰の講習会でも次の2点の重要性を説いています。
- 長期症例からの見地が重要であること
- 長期の視点でインプラント修復治療の咬合設計を特に熟慮すること
つまり、インプラントはただ埋入すればいいのではなく、長持ちさせる設計と施術の総合力が問われるのです。
インプラント治療に限らず、歯科臨床歴が長いということは患者さんの口腔内の変化を経年的に観察することができ、新たに行う治療に関してさらに技術のブラッシュアップができます。
それだけ経験している、言い換えるとさまざまな臨床現場に遭遇していると言えます。人生においても、色々と経験が豊かであると応用力も育ちますよね。
口コミの質
インプラント治療に限らず歯科治療の口コミには、「痛くない」「話をよく聞いてくれる」「機材が最新」「親切」「予約が取りやすい」などなど色々あるかもしれません。
昨今は業者さんがインターネットの口コミの評価をアップさせますよというセールス電話やメールも多いです。
管理人が思う最も大切にしてほしい口コミは、自分が選んだ、もしくは紹介された歯科医院で治療を受け、その後メインテナンスに通っている患者さんの声です。
実は同業者(歯科医師)が受診するところの口コミが大切なのですが。これが一番参考になるのではないでしょうか?(でもこれを患者さんが知ることは難しいですね)
管理人が過去に主催したセミナーでもこの『口コミの質』についてお話していました。『口コミの質』というと難しい感じがするかもしれませんが、管理人が伝えたいことは実際に体験して良さを実感している人の言葉は、他のどんな言葉よりも説得力があるということです。
歯科用インプラントメーカー
昨今は様々なインプラントが市場に発売されており、臨床現場での利用数が少ないものもあります。
当院の院長主宰の講習会では、学術的に歴史が長い、つまり学術論文掲載数の多いインプラントメーカーを使用する重要性を説いています。
学術的に歴史が長いインプラントメーカーのものを使用していると安心です。
歯科医療に限らず、歯科医師にも初めての診療あるいは経験年数が少ない時期は誰しもあります。歯科年数が少ないことを否定するわけではありません。
私自身、色々と患者さんから学び、教えられることもあって臨床経験を積み重ねてきました。
どんな治療もそうですが、患者さんと歯科医師の信頼関係は日々の積み重ねによって成り立っていきます。
どのような治療も、わからないことがあれば歯科医師に説明をしてもらい納得をした上で治療を行うことが大切ですね。