歯周病治療。優秀な歯科医がみているところとは?

皆さんは、マウスクリーニングと歯周病治療という言葉がイコールと思われますか?

多くの患者さんは歯周病になるのが怖い、虫歯になるのが怖い、だから歯科医院へ行ってマウスクリーニングをしてもらおうという発想が出るのではないでしょうか?

ここで、日常臨床において、医療者側と患者さん側に少しギャップが生じます。患者さんはマウスクリーニングをしてもらえば歯周病にはならない。

もしくは深い歯周ポケットがあっても1回で終わると思ってらっしゃる方が少なくないのです。

当院の院長主宰の講習会では、まず歯周治療の目的そして検査、実際の歯周治療の手技について解説していきます。

今回は歯周治療の目的についてお話しします。

患者さん自身でメインテナンスしやすいように歯周ポケットを改善する

歯周病という言葉は最近ではとても馴染みの深い病気になっていますので、歯周病がどういった病気であるかここで詳しく言及するのは割愛します。

歯周病を治療することを、歯周治療と言います。

では具体的には何を行うのか?

『歯石を取ることでしょう?』なんて声が聞こえてきそうですが間違いではありません。

私たちが目指すことは患者さんが自分自身でメインテナンスしやすいように歯周ポケットを改善することにあります。

ではメインテナンスしやすいポケットの深さは3.4ミリ以下です。

簡単にいうとどんなに適切に磨いても歯ブラシの毛先は歯周ポケットに3ミリくらいしか入りませんので、歯周病によって深くなってしまったポケットを改善するのです。

でもどのくらい歯周ポケットという歯と歯茎の溝が深くなっているかわかりませんよね。そのためにどのくらいの深さが歯の周囲にあるかのを知る検査がプロービングです。

管理人が働く歯科医院の院長主宰の講習会では必ずレントゲン14枚法を見ながらプロービングを行う重要性をお話ししています。

「CTでいいんじゃないの?」なんて声も聞こえてきそうですが、理由はまた別の機会にお話しします。

患者さん自身による良好なメインテナンスが定着するよう指導する

歯周病は再発しやすい疾患です。

いくら医療者側が治療を行っても、患者さんの協力なくしては歯周治療は成功しません。

歯周病は生活習慣病ということができ患者さん自身の生活習慣の見直しのアドバイスや、適切なブラッシングの定着まで指導して行くことが大切です。

もちろん患者さんのモチベーションが持続するような指導も重要です。

管理人が働く歯科医院の、歯科衛生士主宰講習会でも、成功に導くモチベーションテクニックについてもお話ししています。

歯周治療が終わってからが健康な歯周組織を維持して行くための患者さんとのメインテナンスフェーズがスタートします。

 つまり

もちろん歯を診ていますが、歯周治療というのは患者さんの将来の健康な姿を目指しながら、生活習慣やブラッシング指導、キュレッタージを行う。

患者さんの豊かなクオリティオブライフをみているのです。