きれいすぎる白い歯。これは褒め言葉でしょうか?
絵に描いたように美しいアーチと等間隔に整列した歯列。笑うと、どれもが真っ白に輝く歯面。
つまりは創り出された、人工的で不自然な歯を好まない人も少なくありません。
私たちの身体は一人一人複雑で、個性的な形態をしています。誰一人全く同じ人はいません。同じように正確に造られた「製造物」を思わせる印象を好まない人が多いのは、そうした私たちの成り立ちにあります。
歯科修復治療は、「修復」と名付けられてます。造作ではないことに注目してください。
本来そこにあるべきだった状態にすることが主題の治療なのです。
■「そこにあるべき姿を再現する」
修復治療において重要なことがあります。
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世界的に著名な歯科技工士で、ワシントン大学歯学部名誉教授の桑田先生のお言葉を拝借すれば
「そこにあるべき姿を再現する」
につきます。
この簡潔な言葉を具現化するには、一人の患者さんの修復治療に際して歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士、デンタルコーディネーター等の密接な関係性(インターディシプリナリー)が非常に重要であり、各々が天然歯を深く理解していないと修復治療は達成できません。
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歯科医師は「そこにあるべき姿を再現する」ために必要十分な支台歯形成を行わなければいけません。どのように対合歯と咬合させるかや、特に歯肉と関係する、エマージェンスプロファイルの形態を考慮することは、予防の観点からも重要です。プロビジョナルフェーズを経て最終印象へと入るわけです。
歯科衛生士は「そこにあるべき姿を再現する」ために歯周組織の炎症をコントロールし、支台歯形成・プロビジョナルクラウン装着までに歯周組織環境を整えます。また「そこにあるべき姿に再現された」修復物にトラブルが起きないようにメインテナンスで十分に管理することが必要です。
歯科技工士は「そこにあるべき姿を再現する」ために、ただ天然歯を模倣するのではなく、機能性をともなった咬合面形態・歯冠形態あるいはプラークが停滞しない、かつ審美性がともなった修復物を完成させます。
つまり『手間隙かける』このインターディシプリナリーがとても重要なのです。