Toji at Misasa Onsen: Healing in Waters That Rise Beneath Your Feet
三日目の朝に病が治る
「三日目の朝に病が治る」
そんな言い伝えが残る三朝温泉が今回のテーマです。
鳥取県、三徳川のほとりに湧くこの温泉には、世界屈指のラドン含有量を誇る湯があります。そしてここには、温泉地としての賑わいだけでなく、どこか古い時代の空気がそのまま残っています。
ふと気づくのは、この土地に「三」という数字が繰り返し現れることです。
三徳川、三徳山、三佛寺、そして三朝。
「三」は古来より神聖な数字とされてきました。日本神話の三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)、老子の「三は万物を生む」という言葉、キリスト教の三位一体。文化を超えて、三という数字には特別な力が宿るとされてきました。
この土地が持つ何かを、古の人々はすでに感じ取っていたのかもしれません。
今回はそんな三朝で、湯治体験をしてきました。
なぜ桶屋旅館??
湯治体験をしたくて選んだのが、桶屋旅館です。
この宿最大の魅力は「足元湧出」の自噴泉。地下の岩間から温泉が直接湧き出す「桶屋の湯」は、空気に触れる前の、いわば生まれたての湯が足元から湧き上がります。鮮度が違うんです。
桶屋旅館にはお風呂が2つあります。足元湧出の浴場と、新館の源泉掛け流し。源泉掛け流しだけでも十分嬉しいのですが、やはり人気は足元湧出の方。ここに入らないと意味がない、とまで思ってしまうほどの湯です。
「吸う・飲む・浸かる」三朝ならではの湯治
三朝温泉の湯治が他と少し違うのは、ラドンを「吸う」という体験ができることです。
床の一部は地熱で温められており、横になるだけで熱気浴(ラジウムの吸入)ができます。ラジウムは皮膚からの吸収よりも、吸入によって効果が高まるとされています。細胞の活性化、免疫力の向上、アンチエイジングなどについては岡山大学の研究でも報告されています。興味のある方はぜひ調べてみてください。
「三日目の朝に病が治る」という言い伝えにならい、三日以上ゆっくり滞在することで、本来の力を体感できるのかもしれません。
お湯もいいけど、食事も美味しい
桶屋旅館のもうひとつの魅力が食事です。
家庭料理でありながら、バランスをしっかり考えてくれているのがとても嬉しい。身体は食べたものでできていますから、湯治中の食事は本当に大切です。
管理人は朝晩おひつの中のご飯を全部食べて、毎食満腹でした。おかずがご飯に合うんですよね。しかも米が美味しい!
桶屋に行ってみたい方へ
このお湯を体験してみたい方へ、事前に知っておくと安心な点をまとめておきます。
・バリアフリー設備は整っていません。車椅子をご利用の方はご注意ください。
・シャワー設備はなく、掛け湯で体を流すスタイルです。
・浴槽への出入りに手すりがないため、足元に不安がある方は慎重に。
アメニティは最小限のため、シャンプーや石鹸は持参されると安心です。
パジャマ代わりになるものがあるとさらにくつろげます(備え付けの浴衣もあります)。
ドライヤーは新館に設置されています。
私は新館で洗髪を済ませ、足元湧出の浴場ではあえて髪は洗わず、お湯そのものをじっくり楽しむようにしました。
なお、浴場は男女入れ替え制です。
自然豊かな場所のため、時期によっては室内にカメムシが入ってくることも。
ただし廊下に駆除用のスプレーが用意されていましたので、過度に心配する必要はありません。
その分、ここでは「お湯そのもの」をじっくり味わうことができます。
入浴が難しい場合でも、熱気浴(ラドンの吸入)だけでも、この土地の空気を感じることができますよ。
時間がゆっくり流れる場所
湯治の合間に、三徳川を歩く。足湯に浸かる。
昼はお話が楽しいオーナーのいる梶川理髪館へ。
そして3時のおやつには三朝ヨーグルト。
夜には、どこか懐かしい射的場へ。
翌日はちょっと足を伸ばして三徳山三佛寺へ。
三朝温泉には、今もなお、古き良き日本の風景が残っていました。
現代の便利さとは少し違う豊かさが、ここにはあります。
English Summary
Misasa Onsen, tucked along the Mitoku River in Tottori Prefecture, is one of Japan’s most quietly remarkable hot spring destinations. The waters here contain some of the highest levels of radon in the world, and locals have long believed in their healing power. An old saying goes: “By the third morning, your illness will be cured.”
The name of this place carries a curious pattern. Mitoku River, Mitoku Mountain, Sanbutsu-ji Temple, Misasa — the character for “three” (三) appears again and again. In ancient traditions across cultures, three is a sacred number. Whether by design or coincidence, this land seems to have drawn that energy for a very long time.
Between baths, there is the river walk, the foot bath by the stream, Misasa yogurt at three in the afternoon, a nostalgic shooting gallery in the evening, and — if you have another day — the ancient temple complex of Sanbutsu-ji on Mount Mitoku.
Misasa Onsen still holds the shape of an older Japan. Not a flashy tourist destination, but a place where people actually live, rest, and heal. That, more than anything, is what makes it worth the journey.
