青葉もみじが美しい季節を迎える5月。京都では賀茂祭が開催されます。今回はそんな賀茂祭についての体験記です。
賀茂祭(葵祭)について
毎年5月15日に行われる京都の賀茂祭。三勅祭のうちの一つです。(旧暦四月中の酉の日から明治以降は現在の日となったようです。)
賀茂祭はその祭儀に関わる全ての人や物に二葉葵を飾ることから、葵祭と呼ばれています。賀茂別雷大神は神山にご降臨される際、御神託により葵を飾り馬を走らせて神迎えの祭りを行ったことが始まりとされています。神山は上賀茂神社から見ることができます。


賀茂祭(毎年5月15日)、春日大社の春日祭(毎年3月13日)、石清水八幡宮の岩清水祭(毎年9月15日)が三勅祭。
勅祭とは勅使(天皇のお使い)が派遣されて執行される祭儀を言います。

平安時代にタイムスリップ!?巡幸を見に行こう
賀茂祭は3つの儀から成ります。 「宮中の儀」「路頭の儀」「社頭の儀」
中でも一度は見たいのは「路頭の儀」と呼ばれる華やかな行列が市中を巡幸する儀式。
路頭の儀は京都御所を出発し、下鴨神社、上賀茂神社へと進みます。
京都御所を10時30分に出発し、上賀茂神社へは15時30分ごろに到着します。巡幸予定時間は毎年ほぼ変わりませんがどの場所で見てもきっと感動するでしょう。
管理人おすすめ見どころスポットは加茂街道と上賀茂神社です。加茂街道横には賀茂川が流れ、川の上を吹く風が心地良いですよ。
加茂街道の新緑と雅な行列がとても絵になり平安時代にタイムスリップしたような気分を味わえます。
行列が到着するまでの間、賀茂川をのんびり眺めながら土手で遅めのランチ時間も格別ですよ。



みんなが絶対みたい斎王代



宮中では古来、未婚の皇女を御杖代(神や天皇の代わりに、神事や奉仕を行う人のこと)として差し遣わせることがあり、この皇女を斎王と言います。斎王は祭事において欠かせない存在であり、初めは伊勢神宮に、ついで賀茂の大神に捧られたのみということです。現在では斎王に代わる斎王代として、五衣裳唐衣(十二単)をまとい、優雅で厳かな雰囲気の中、神様に仕える役目を果たします。
そんな斎王代はみんなが真近でみたいのですが、上賀茂神社では1000円を納める(2025年)と近くで見ることができます。とりわけカメラマンも場所取りには熱心ですので、早めに場所を確保したいところ。
上賀茂神社での様子はYouTubeで確認していただくと雰囲気がわかります。
上賀茂神社内では解説を放送してくれるので、時間がある方は最後まで社頭の儀をご覧になるといいかと思います。
管理人は斎王代以下女人列までしか見ることができませんでした。
今度は走馬の儀までみたいと思います。
おわりに:平安のこころに触れる一日
1500年前と同じように風が吹き、同じ道を人が歩く。
そんな時間が、今の京都に確かに流れているということに、 ちょっと感動すら覚えます。
5月、ぜひ一度、京都の空気に耳を澄ませてみてください。
きっとどこかから、平安の風が吹いてきてにっこりできますよ。
